　空飛ぶ円盤のような日立館で、
シミュレーター・トラベルで飛行機の
操縦をしてみよう。

(なんて子供心を揺さぶるコピーなんでしょう。)

シミュレーターというのは飛行機の操縦士の
訓練に使われる模擬訓練装置のことだ。

アポロ計画にも使われたし、自動車の操縦
訓練にも使われている。

エスカレータを昇りスカイロビーで
くつろいでいると

やがて案内が始まり

2階建ての大エレベーターで
3階におりる。

エレベーターにも前述のように
仕掛けがあり
期待が盛り上がる。

ここが　シミュレート・ホールだ。

128個のバケット・シートがある。
シートに着席した瞬間から
楽しい未知の旅行が始まる。

ホールに流れる
耳新しい音楽と光のパターン。

コンパニオンから説明と
注意を受けたあと、
観客の投票によって
3つの旅行コースの中から
ひとつのコースが決められる。

これは挙手の多数決で決める。

ベルトを締めると、一斉にブースがぐるぐる
回り出した。

いすの下のターンテーブルが回っているのだ。

回転が終ると、128人は16の操縦室に
8人ずつに分かれてはいっている。

前席に二名　後部席に六名。

操縦管と計器が並び、窓の外には

長い滑尭路、青い空、
白い雲の飛行場が見える。

操縦は1号重から16号室までが30秒
ずつ順にやる。

操縦者は各室ごとに選ばれる。
前席の二名

離陸は1号室がやる。
やがてエンジンの音が
聞こえ始める。

パイロットが付き添って、
機は滑走路を離れ青空へ向かって急上昇。

やがて雲海へ

128人が一体となって楽しめる空の旅。

ランプがつくと2号室の番だ。

操縦桿を右へやると、機はぐっと傾むき、
地平線も大きく右へ　。思わず左へ動かすと
地平線も左に傾むいた。

この操作が次々ととなりのブースに
受けつながれていく。

スリルにみちた光景がつぎつぎに
眼前に展開……。

まるで、自分の体が飛行体に
なったような感じで大空を自由に
とぴまわる面白さ‥・

これがシミュレート・トラベルの
ダイゴ味だ。

自分のブースが担当している時は
ライトが点灯して教えてくれる。

着陸がむずかしい。

これは16号室がやる。

パイロットは　いるにはいるが
着陸のきっかけを
指導するだけで、あとは介添なしだ。

128人が　かたずをのむ。

機は滑走路へ高度を下げていく。

無事着陸かと思ったとたん、
立木に衝突ということにもなりかねない。

でもご安心。

このスリルもシミュレート
トラベルならでは味わえない
効果のひとつなのだ。

うまい、へたの評価が
後でくだされる

驚ろいたり、笑ったりの10分間の空の旅”だ。

私の体験

頭の中は飛行機の操縦が
できる期待でいっぱい。

ところが案内されたのは後部座席。

これじゃ操縦できないぃぃぃ。

(操縦桿は前席にしかない。)

よっしゃまた来て
今度は前の席に座るぞと決意。

前席は二人の老婆。だいじょうぶかぁ。

なんとよくみると
操縦桿を杖がわりである。

やがてフライトは始まりブサーがなった。

自分たちのブースの番だ

機体は雲海を抜けて順調に
飛行中だ。

そして

我がブースの人生の
ベテランパイロットは
思い切り操縦桿を左へ倒した。

急旋回

失速するぅぅぅぅ。

しかしその瞬間　

操縦の権利は隣のブースへ

モニターの画面は何事もなかったように
相変わらず飛行を続けている。

やがて　16ブース担当の着陸だ。

ふらふらしながら滑走路が近づいてきた。

だんだんと高度が落ちる。

着地

・・・・・・・

ブースの中は真っ赤なランプが点灯

着陸失敗だ。

わたしの友人は四回並んだが
一度として前席に乗れなかったそうだ。

凄い人気館だったので私が二度と
操縦桿を握れることはなかった。

おもいっきり操縦したかったなぁ。

　　　
　